多発性硬化症って、どんな病気?
◎多発性硬化症(Multiple Sclerosis,以下MSと略す)とは・・・
定義
本症は、病理学的には、中枢神経内に多数の脱随巣が散在し、臨床的には、
多彩な症状が出没することを特徴とした慢性の疾患をいいます。症状は増悪したり寛解したりします。
中枢神経系の原因不明の髄鞘脱落を主病変とする疾患を髄鞘性疾患と呼びますが、MSはその代表的、
中心的疾患です。
病因
現在までのところ不明です。ウィルス感染説やアレルギー説(自己免疫説)、人種的要因、
環境因子(寒冷、食べ物など)も考えられていますが、免疫異常説が有力です。
臨床症状
通常20〜40歳代に発病する事が多く、やや女性に多く発病が見られます。
中枢神経内に、2つ以上の病巣が存在し(空間的多発性)、病巣は寛解し、また新しい病巣が
再発する(時間的多発性)ことが多いです。
急性または亜急性に発生し、足が動きにくいなどの感覚障害、ものが二重に見えるとか目がかすむ、
見えにくくなるなどの眼症状、めまいや排尿障害など、臨床症状は多彩です。
病巣が中枢神経系(脳や脊髄)のどこにあるかによって一定しないからです。
病状は固定する場合もあれば、一過性のこともあります。
病型としては、@脊髄型、A視神経脊髄型、B小脳脳幹型、C大脳型とに分けられ、
どこが病変の主座かによって病変が異なります。
MSの治療法
薬物療法としては、副腎質ホルモン、ステロイドを急性期に短期大量投与します。
メチルプレドニゾロン・パルス療法もあります。
慢性再発性のMSの再発防止として各種免疫抑制剤も注目されており、
ところによってはインターフェロンが試みられていますがまだ一般的ではありません。
麻痺に対してはマッサージやリハビリテーションが試みられ、有痛性のけいれんに対しては、
抗けいれん剤が使用されています。(MS患者手帳より引用)
MSの再発防止薬
■インターフェロンβ1bについて
2000年11月末、インターフェロンβ1bは日本でも認可されました。
■インターフェロンの予想される効能・効果って何?
・多発性硬化症の再発の抑制
・多発性硬化症の症状悪化の遅延
投与の方法:自己注射
副作用:頭痛、発熱、倦怠感、疲労感など
(もっと副作用はあるようですが、個人差もあるため多くの記載を避けることにします。ご了承下さい。)
アボネックスについて
現在治験実施中で、厚生労働省の認可を待っている再発防止薬であるアボネックスがあります。
インターフェロンβ1bは、隔日に自己注射しますが、インターフェロン1Aは、
1週間に1度程度の自己注射になります。
副作用は、インターフェロンβ1bと同様に感染様症状があります。
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