ぷりむろうず第 9号     (2001年 2月 7日)





 寒い日が続いていますが、いかがお過ごしですか?

大雪を久しぶりに体験し、「渋滞にうんざり!!」と思いながら、車中から外に目をや
ると、子どもたちが雪合戦をして遊んでいる様子になぜか心が和みました。幼い頃、純
粋に雪が降れば楽しくなったものでした。今は、それ以外の何かをたくさん考え過ぎて
しまうのかもしれませんね。 

 ぷりむろうず9号では、キャンペーンのお知らせをします。また2000年3月18
日に開催された総会について、交流会の様子を簡単にお伝えします。

 「雑談」と題して、事務局へ送られてきている質問をもとに「インターフェロンβ1
b」についてどのように医師に質問をし自己決定したらよいのか。またMSにかかった
時に気をつけた方がよい事などの耳情報?を、私の経験から語りたいと思います。





お願い



 2001年3月10日「多発性硬化症や疾病等を持つ方への理解を深めるために〜キ
ャンペーン(DE-FU-TAプロジェクト)の実施について〜第1部/語り・合唱 第2
部/柳田邦男氏 講演 今を生きる病い、いのち、物語〜」のお知らせを同封するとと
もに、合唱団員の募集や親睦会出席等に関するアンケート用紙のご記入もお願いしてお
ります。チケットのご購入は、同封の振込み用紙をお使い下さい。またチケットぴあで
もご購入頂けます。

 このキャンペーンは、全国多発性硬化症友の会愛知県支部と語りの会患者塾(キャン
ペーン実行委員会として今回設立)が主催となり、多発性硬化症を多くの方々に理解し
て頂くとともに、他の疾病や障害を持った方々とも一緒に活動しながら、思いを共有し
ます。また病いや障害をもつもたないという視点ではなく、一人の人間が生きていく事
や語りあう事の大切さを考えていきます。

 このキャンペーンの収益は、多発性硬化症や他の病気や障害を持つ方々のために有効
に遣わせて頂きます。詳しくは別紙をご覧下さい。

 最近海外では、MS(多発性硬化症)と疲労に関しての研究も注目されてきておりま
す。そのため、MSにかかっている方々や家族の方々には疲労に関するアンケートも同
封させて頂きましたので、1種類もしく2種類のアンケートにお答え頂き、返信用封筒
にてお送り下さいますようお願い申し上げます。

 またお返事は2月20日頃までにお願い申し上げます。

 

 全国多発性硬化症友の会愛知県支部の交流会は、柳田邦男氏を囲んで行う親睦会にか
えて行うつもりでおります。これまでとは違った皆さんと交流をしたいと思い、多発性
硬化症に関わる方々だけでなく、いろいろな方々との交流もして頂く場にします。これ
までご参加下さらなかった会員の方々にも是非、この新しい試みに興味を持って頂けた
ら幸いです。またこれまで医療従事者やボランティアとして、愛知県支部に関わって下
さった方々とも、違った距離でお付き合いがこの場で出来たら、とも考えております。
名古屋市公会堂でのキャンペーンのチケットは、上記の方法でご購入下さい。名古屋東
急ホテルで開催される親睦会に参加される方は、当日名古屋東急ホテル4F「雅」の会
場前の受付にてご清算下さい。ご参加される方は、必ずアンケートに参加希望の意思を
示しておいて下さい。(イベントの詳細は、終了しているので省略させて頂きます。)



第4回総会・第5回交流会の報告

 

 2000年3月18日(土)午後1時〜7時まで、中京大学のヤマテホールで、第4
回総会と第5回交流会が開催されましたので、以下の通りご報告します。



1.開会の辞



 総会に寄せられた1通の手紙が披露されました。



 母の葬儀等により、全国多発性硬化症友の会愛知県支部の総会・交流会には出席出来
ません。次回は必ず出席します。

              全国多発性硬化症友の会会長

               堀内勇一郎さん



 総会の議事内容は、省略させて頂きます。



2.交流会



 これまでの交流会は、いくつかの小さなグループに分かれて互いにディスカッション
をしていましたが、今回は大きな一つの円になりました。

 最初に簡単な自己紹介を参加者全員がしました。

 次に、日本には6000人あまりの多発性硬化症の患者さんがお見えになること、ま
た愛知県では平成10年に258人方が多発性硬化症の特定疾患を受けられているこ
と、また多発性硬化症の治療法などが顧問医師の長谷川先生、医療ソーシャルワーカー
の近藤修司先生から説明されました。

 多発性硬化症になって一番つらかったこと、嬉しかったことを互いに話しました。

 多発性硬化症という病気になったことは、だれにとってもつらいことだった

ようですが、多発性硬化症になって初めてわかった家族の愛や支援、また入院中に出会
った医療従事者や入院されていた方々の言動にも感動したりしたことなど、率直な気持
ちを互いに交換できました。



 医師との付き合いについては、現在の主治医に満足している方々が多かったのが印象
的でした。



 今回の交流会は、互いが本音で語り合えるよりよい場になりました。

 これまでの交流会の中で一番雰囲気が良かったとの声もたくさん頂きました。

 今回の交流会については、皆さんに詳しくお伝えするために今後冊子にしよとの案も
あります。これを具体化していけるようにしたい、と考えています。



雑談  

事務局のらくがき帳



 医療従事者でない私が、事務局をしていて感じたことを少しだけ書かせて頂きたく
て、ニュースレターのページを使わせて頂くことにしました。

ここに記載する情報についての文責は私にありますが、必ず主治医にご相談して下さ
い。

あくまでも私の雑談として、この情報を受け止めて下さい。



インターフェロンβ1bについて

 

 2000年11月末、インターフェロンβ1bは日本でも認可されました。

これに伴い、会員の方々からの質問もインターフェロンに関する事柄が急増しました。
そこで、私が持っているデータ―や相談内容や相談を受けていて感じたこと等をご紹介
致します。



インターフェロンの予想される効能・効果って何?

・多発性硬化症の再発の抑制

・多発性硬化症の症状悪化の遅延



投与の方法:自己注射



副作用:頭痛、発熱、倦怠感、疲労感など

(もっと副作用はあるようですが、個人差もあるため多くの記載を避けることにしま
す。ご了承下さい。)



 よく質問されるのが「私はインターフェロンβ1bの投与の必要はありますか?」で
す。

 実は、この質問が一番困ります。でもどんどん遠慮せずに質問して下さいね。

例えば「再発が多いので、医師から勧められました」、逆に「再発は殆どないのに、医
師から投与を勧められました。どうしたらいいのでしょうか?」というご質問です。私
の答えは、いつも同じなのです。「まず主治医にご相談して決めて下さい。そして自己
決定して下さい」という言葉です。この通りに伝えると、「よく考えてみます」とか、
「主治医に相談します」という答えが返ってきます。冷たい言い方かもしれませんが、
決めるのはあなた自身なのです。電話や手紙、E−mailでご自分の気持ちを言う事で、
はっきり今後の方向性が決まる事もあります。一人で悩まずに、遠慮なく相談して下さ
い。いつも同じ病気を持つ者として、寄り添い合いたいと思っています。

 また「この薬で、本当に再発や症状悪化を止められるのか?」というご質問を頂きま
す。それは個人差もありますから、よく分からないのです。投与してみないと分からな
いものなのです。

でも何だか、いい条件の中で投与されるのならチャレンジしてみたい。でもなかなか素
直に医師に自分の気持ちを伝えられないのかもしれません。また自分の意志がはっきり
していないのに、的確な質問を主治医に伝えるのは難しいのかもしれません。でも安心
して下さい。どんな人だって、新しい薬に興味を抱き、そして不安や疑問を感じ悩むも
のなのです。





 では、皆さんはどんなことを主治医に質問したら納得して投与できるのでしょうか?
6項目を記載しました。参考にしてみて下さい。



1.薬の効能2.薬の副作用3.投与方法4.投与期間5.投与時に気をつけるべきこ
と6.投薬後の症状の変化(悪化した場合の対処の仕方等)





 医療に100%ということはありません。やはり不確実なものなのです。

 また医療を受ける際には、主治医や医療従事者を信用出来ることも大切な要素です。
信頼できる医師や医療従事者との人間関係を作って下さい。

 また聞きたいことは、前もって箇条書きにする。覚えておきたいことは、診察中もメ
モをする。また症状の変化を記録し、医療者にもはっきり伝えましょう。症状の悪化だ
けでなく、症状の改善があるときはそのことも伝えましょう。投薬の量や種類が変わっ
た場合は、症状の変化を正確に伝える努力をしてみることも大切なことかもしれませ
ん。こうした努力もまた、私たちの心構えを医療者に示すいい機会だと思いませんか?





多発性硬化症ってどんなことに注意すればいいの?



・風邪をひかないようにする

*ビタミンのたっぷり入ったジュースやお茶を飲んでいる方を知っています。本当にい
いのかな?!



・感染症の早期治療

*膀胱炎になったら、すぐ治療した方がいいようです。早期治療が大切です。



・ストレス

*「ストレスを軽減する努力を!」と以前から、私も医師から何度となく言われまし
た。でもこれが一番難しいよね?!どうしたらいいのかな?といつも悩みます。好きな
映画や本を読んだり、自然を満喫しながらドライブするのが私のストレス解消法です。
おいしいものを食べて、幸せになったりもしますよ。



・過労

*疲れすぎない事も大切です。疲れたら、十分休養を取るように心がけることも必要か
もしれません。過労と疲労の線って、でもどこにあるの?



・お風呂

*「熱いお風呂に長時間入浴すると、症状が悪化や再発する原因になる」と聞いたこと
があります。私も入浴後立ちくらみやふらつきがあり、転びそうになったりする事があ
ります。気をつけようと思いながらも、体調によっては大丈夫だったり、逆に入浴中快
適だったのに入浴後に疲労感が増したりすることもあります。とにかく体調に合わせた
入浴が必要です。

難しいことですが…。



 私の体験を交えながら、いくつかの本も参考にしながら書いてみました。あくまでも
参考程度にとどめて下さい。



 私は主治医と付き合っていて、「医療者を信用しています」と伝えて嫌がる人はいな
いはずだと感じます。私と主治医の治療方針が食い違った時、主治医が「僕が入院を本
当に勧めたら、入院しますか?」と問われた事がありました。私は、「先生を信頼して
いますから、先生が入院の必要があるとおっしゃるなら、私は入院します」と伝えまし
た。「分かりました。では、なるべくあなたの意思を尊重しながら、治療を進めましょ
う」といって下さいました。そんな些細な会話から、私と主治医との人間関係は少しず
つ出来上がっていった気がします。

 私たちが快適な生活を毎日過ごすのは、難しいことかもしれません。だからこそ、医
療者や周囲の方々の助言や支援が必要なのです。そして医療者の専門的な知識や技術が
大事なのです。よりよい人間関係を作る努力は、自分の責任でもあること。そしていの
ちの主人公はあくまでも自分である事を忘れずにいて下さい。

皆さんが許してくださるのなら、私が自由に書くスペースをいつかまた下さい。

ご意見・ご感想をお待ちしています。

                             (文責:坂野尚美)





事務局からのお知らせ



 全国多発性硬化症友の会愛知県支部の事務局が、3月初旬に移転します。

詳細は後日お知らせしますので、宜しくお願い申し上げます。

 



編集後記

 ぷりむろうず9号の作成の前に、多発性硬化症をかかえる方々のご家族から入会希望
の電話を数件頂きました。私はこの電話に、ハラハラドキドキしながらも真剣に電話の
声に耳を傾けていました。「どうして、私の家族がこの病気にならないといけなかった
の?」という叫びに、私は改めて家族の方々の悲痛な思いを知りました。でもこれは家
族の叫びだけではないのです。病気を持っている人たちも同じような心の叫びを持って
います。電話で「どうしたらいいの?」と思いながら、私は自分のMS体験を話してい
ました。「あなたがMSだから、安心して入会できます。もしMSでない、病気を持っ
てない方が窓口だったら入会しなかったと思います。あなたが病気になって経験した事
を聞いて、私は勇気が出ました。家族として、支えていこうと思えました。ありがとう
ございました」と言われました。互いに全身から言葉を発して、何だか気持ちがいいく
らい、共感が出来ました。MSをかかえる私と、MSをかかえている方との心のふれ合
いとなりました。心を切り刻む程の思いの中での語り合いだったのでとても疲れました
が、何だかとっても晴れやかな気分でした。キャンペーンのお知らせを見て、電話を下
さった方との語り合いでした。キャンペーンの意味がここにもあった!なんだか、いろ
いろな方々を引き寄せてしまっているようです。

 問い合わせが、電話からE−mailに移行しつつあります。E−mailのお返事は、少し
お時間を頂いています。でも必ずお返事いたしますので、お待ち下さい。私がお返事を
出さなくて、ご心配してくださる方に心からお詫び申し上げます。本当にごめんなさ
い。これから真面目にお返事しますので、末永く宜しくお願いします。

 3月10日に、お会い出来るのを心から楽しみにしています。

                                (坂野尚美)





発効 全国多発性硬化症友の会愛知県支部

事務局〒487−0013

                春日井市高蔵寺町2−27

              HAKUBIコーポラス2A





       
       
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